第52回(2000年7月)毎日書道展において、現代書道研究所 佐伯司朗 理事長が近代詩文書部グランプリ(会員賞)を受賞いたしました。この受賞で現代書道研究所では、毎日書道展審査会員が 中島司有 先生と2名になった。
会員賞受賞作「安永蕗子歌」160×136cm
「年男という節目の年に受賞できて格別な思いです」。喜びをかみしめる表情に、書家として円熟期を迎えた充実感がにじむ。
構想から完成まで3ヵ月かかった。題材とした短歌に込められた恋愛の秘めた思いを表現しようと筆を走らせた。使う筆や字の勢いに変化を重ね、描いたイメージに近い作品に仕上げた。
「文字はオブジェ」と語り、アイドルグループの曲を題材に取り入れる。世界中のさまざまな文字を書で表現することが、書家としての夢だ。 (2000年7月6日・毎日新聞さいだまワイドより)
今回の毎日展では栄ある会員賞を頂き、まことにありがとうございました。
受賞に際しましては、日本書道美術院 飯島敬芳 理事長 ・ 飯島春美 常務理事両先生のお力添えの賜と厚く御礼申し上げます。また、日本書道美術院の諸先生方から頂いたたくさんの応援や励ましのお言葉にも感謝申し上げます。
大学入学のため福島より上京、直ぐに知人の紹介で中島司有先生に出会い、書道・書学の大切さを教えられ、現在までご指導を受けております。中島先生は常日頃より、「古典を徹底的に学び、古典の仮名や漢字の線質・表現方法などを取り入れながら新しいものを作っていくことが21世紀の書作品には不可欠である。その為には文学も勉強しなければならないし、書学も勉強しなければならない」とおっしゃっています。また毎日展近代詩文書部においては、日本書道美術院の故 飯島太久磨 先生から教えていただいたことも沢山あります。先生の時代をリードする立体的な作品や光や映像をも加えた総合芸術を書とする考えに魅了されました。
今回の作品は、歌会始めの選者でもある安永蕗子先生の短歌を書きました。20世紀最後の毎日展であることを考え、どこかに古典的な匂いを持たせ、漢字を骨子として仮名の連綿を意識しながら製作しました。
今後はこの受賞を糧に、毎日展のみならず日本書道美術院の発展の一助となるよう、今までと同様奢りなく骨身を惜しまないで仕事をしていきたいと思っております。
まだまだ弱輩な私でありますので、今後とも変わらぬ、ご指導・ご鞭撻を頂ければ幸いです。
本当にありがとうございました。 (日本書道美術院発行「書道美術」10月号より)
歌会始めの選者でもある安永蕗子先生の短歌を素材として選びました。20世紀最後の毎日展であることを考え、どこかに古典的な匂いを持たせ、文学的にも質の高い短歌を、漢字を骨子として仮名の連綿を意識しながら製作しました。筆は羊毛の長鋒、紙は二層紙の六尺宣を使用。墨量の変化により潤渇を生かし、紙面全体が立体的に見える様に構成してみました。
常々考えていることは、古典を徹底的に学び、古典のかなや漢字の線質・表現方法などを取り入れながら新しいものを作っていくことが21世紀の書作品には不可欠である。その為には文学も勉強しなければならないし、書学も勉強しなければならないということです。近代詩文書(漢字かな交じり文)の素材においても、文学的で美しい言葉を使った詩歌や、若者達にも理解しやすい現代の歌謡曲や英文入りの詩などもどんどん書いてゆこうと思っています。 (全日本美術新聞3月号より)
開式の言葉
現代書道研究所副理事長 古川司源
御来賓祝辞
毎日書道会最高顧問 種谷扇舟 先生
美術評論家 田宮文平 先生
日本書道美術院常務理事 飯島春美 先生
國學院大学栃木短期大学学監補 木村好成 先生
乾 杯
現代書道研究所顧問主事 大野高正 先生
アトラクション 湯島天神太鼓
御来賓祝辞
毎日新聞社文化事業部 椎名幸雄 先生
近代詩文書作家協会事務局長 船本芳雲 先生
五禾書房社長 桑原 喬 先生
全日本美術新聞社主幹 松原 清 先生
記念品贈呈
現代書道研究所副理事長 小濱司廉
現代書道研究所常任理事 鎌田紗和
御礼の言葉
佐伯司朗
恩師からの御言葉
現代書道研究所長 中島司有先生
手 締 め
株式会社精華堂社長 佐藤一行様
株式会社翠祥堂専務 小室 弘様
閉会の言葉
現代書道研究所常任理事 田澤伯堂