平成19年昭和天皇御製カレンダー

財団法人昭和聖徳記念財団発行の平成19年の昭和天皇御製カレンダーを現代書道研究所・佐伯司朗所長が、今年も揮毫をされました。昭和天皇と香淳皇后のほほえましい写真に、御製の歌が添えられたカレンダーができました。御製6首を宮内庁文書専門員の佐伯司朗所長が楷書で揮毫されています。
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昭和天皇の御製を浄書して

現代書道研究所理事長 佐伯 司朗

 昭和聖徳記念財団は、皇室を敬い、昭和天皇を厚く崇敬する方々の要望にお応えして、「昭和天皇御製カレンダー」を謹製、発行しています。このカレンダーは、平成五年より宮内庁の協力のもと、昭和天皇の慈愛に満ちた御製と、懐かしいお写真を編集して謹製されるものです。平成十年・十一年の二年間続けて中島司有先生がご揮毫されましたが、平成十二年は健康上の理由からご辞退されました。そこで、平成十二年版はワープロ文字で作成したところ、人間味のある温かさがないなど、評判がよくなかったようです。そこで平成十三年版を作るにあたり、平成十二年六月から宮内庁より宮内庁文書専門員を拝命しました佐伯司朗に、御製を揮毫するようにとのご依頼がありました。司有先生の後を継いで揮毫することは、身に余る大役で力不足ではないかと思いながらも、司有先生の考えておられる御製を揮毫する姿勢が、後々まで永く広まっていかなければ日本の文化にも影響があると考え、お引き受けをいたしました。
  司有先生がお考えになっておられる御製に対する拝書の姿勢は、銀河一六二号に掲載されていますが、ここにもう一度載せさせて頂きます。
 『まず、筆者を感じさせない工夫です。カレンダーを手にする人たちが、素直に御製を拝読して、昭和天皇のお心を仰げば良いのです。その場合、筆者は正しく読みやすく、心をこめて御製を拝書することによって、御製を可視的なものにしなければなりません。御製と観照者との間に、筆者が割り込んで、「これは私が、このように妙技をふるって拝書しました」という姿勢を見せることは、絶対にしてはならないと考えました。漢字もかなも楷書体と、これに調和する単体で書き、原則として連綿はしないことにしました。これは読みにくさを避けるためもありますが、謹書の姿勢を貫くためです。かな作品には常識の観さえある墨継ぎ、それに伴う濃淡・潤滑もつとめて、これをおさえます。すべて読みやすさのためです。落款も入れないし、印も押さない、それが御製や御歌を拝書する作法であるためもありますが、それぞれの作品の中に御製や御歌だけがあるという世界を理想としているからです。』
  この司有先生のお考えに沿って今度の謹書をさせていただきました。到底司有先生のお書きになられたものには及びませんが、私なりに現時点で自分が出来得る限りの力で浄書させていただきました。

 

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