第50回記念
銀河書道作品展
「文部科学大臣奨励賞」


第50回記念銀河書道作品展・最高賞「文部科学大臣奨励賞」は、高校3年生 永橋 裕昊さんが受賞されました。受賞後の感想などを伺いました。


Q1 受賞の知らせを受けたときの感想は?

受賞結果をいただいて『文部科学大臣奨励賞』の文字を見たとき、驚きで頭がいっぱいになり、しばらく言葉が出てきませんでした。妹と母にすぐに伝えると、二人とも最初はとても驚きながら「おめでとう」とお祝いの言葉をかけてくれました。
昨年までの銀河書道作品展で、私と同学年の方たちが上位の賞をたくさん受賞されていましたので、まさか自分が第一席であるこの賞をいただけるとは思ってもいませんでした。しかし、これまで書いてきた銀河書道作品展の作品の中で最も力を込めた作品でしたので、自分のこれまでの頑張りが無駄ではなかったと感じ、胸がいっぱいになりました。

Q2 作品の題材とそれを選ばれた理由は?

今回は『三體千字文』を書かせていただきました。私は小学生の頃から、銀河書道作品展で細かい文字を書く中高生の先輩方に憧れていました。
特に、『三體千字文』という題材は初めて銀河書道作品展に出品したときからずっと書きたいと思っていました。そこで、これまでの集大成となる高校3年の銀河書道作品展では、この題材に挑戦することを決めました。

Q3 作品を仕上げるうえで特に苦労された点は?

大学受験に向けての勉強が忙しくなり、学校の友人たちが勉強に費やす時間を増やしていくなかで、自分だけが書道に膨大な時間を費やしていることへの不安が強かったです。試験前や試験中であっても、欠かさずお教室に通って作品を書いていたので、友人に心配され、早く終えようと焦って腱鞘炎になってしまいました。痛みと焦りでくじけそうになりながらも、「三體千字文」に憧れていた小学生の頃の自分を裏切ることはできないと思い、最後まで書き続けました。
予定通りに作品が完成したときにはとても安心し、ほっとしました。

Q4 ところで、書を始めたのはいつですか?

小学校2年生のときです。
当時、あまりにも乱雑に字を書く私を心配し、母が書道教室の見学に連れて行ってくれました。体験のお稽古では、先生方が優しく指導してくださったことで、文字を丁寧に書く楽しさを知ることができ、3歳下の妹と一緒に、その場で銀河会総本部に入会しました。

Q5 ご指導頂いた先生へのお礼とこれからの抱負について一言お願い致します。

いつもご指導くださっている先生方のおかげで今回このような素晴らしい賞を受賞することができました。
日常生活で目にしたり、書く機会が少なかったりする書体では、文字の崩し方や書き順がわからないことがたくさんありましたが、先生方がすぐに調べて分かりやすく教えてくださったおかげで、1文字も間違えずに書き上げることができました。また、お稽古以外の時間も教室を開けていただくなど、先生方は私が作品に集中しやすいようにさまざまな配慮をしてくださいました。本当にありがとうございます。
これからも文字を丁寧に書くことを忘れずに、常に成長し続けることができるように努力したいと思います。

 

指導者(銀河会総本部の先生方)から受賞者(永橋裕昊さん)へ

永橋裕昊さん『文部科学大臣奨励賞』受賞おめでとうございます。
あなたにとって最後となる銀河書道作品展でこのような素晴らしい賞を頂けたことを本当に嬉しく思います。
あなたが3歳下の妹さんとお稽古に初めていらしたときのことを昨日のことのように覚えています。中学校から私立の進学校に通う忙しい日々のなかでも、休むことなく継続的に教室に来て、毎月の競書課題を必ず複数枚提出して力を積み重ねてきました。銀河書道作品展では学年が上がるにつれて文字数が多くなっていきますが、それでもコンスタントに教室に来て長い時間ひたすら書き、一度も間違うことなく毎年誰よりも早く作品を完成させる姿がありました。
一見当たり前のようなことですが、これらのことを毎年安定して行うことは誰にでもできることではありません。
あなたはいつでも着実に努力を積み重ねてきましたし、その努力を努力と思わず取り組んでいることにも感心させられるばかりです。
今年の作品制作においても、教室に来ては黙々と書き、お手本と真摯に向き合う姿をよく覚えています。同じ時間帯に妹さんや他の中高生がいれば、進捗状況などをお互い話し、休憩の際には別の場所で、受験勉強のため単語帳をめくっていました。
作品も終盤になってきた頃、あなたが手首に包帯を巻いて教室に現れ、腱鞘炎になったと聞いたときは、こちらも驚きましたが、あなた自身が一番不安と焦りがあったはずです。痛みが強く教室を休んでも、翌々日には来てまた書き続け、弱音ひとつ吐かずに冷静に作品と向き合う姿はとても逞しく凛としていました。
6月下旬に完成した作品を見たときには、あなたのこれまでの集大成にふさわしい作品ができあがったと心から思いました。
今回の『三體千字文』は丁寧で確実な書に対する姿勢がよく表現され、日常のお稽古との向き合い方、真面目な人柄、今までの積み重ねのすべてが、『文部科学大臣奨励賞』という大きな賞につながり、私たちも非常に嬉しく思います。
銀河書道作品展で培ってきた力は必ず将来に役立つはずです。あなたのその素晴らしい長所を生かして、これからの成長を総本部指導者一同願っています。

書道研究銀河会総本部
朝霞市三原3-7-15
048-466-5504

 

 

 


第50回記念
銀河書道作品展
「駐日中国大使館賞」


第50回記念銀河書道作品展「駐日中国大使館賞」は、高校3年生 川添 灯舟さんが受賞されました。受賞後の感想などを伺いました。


Q1 受賞の知らせを受けたときの感想は?

受賞のお知らせが届いた日は、ちょうど私の誕生日で家族とお祝いの食事に出かけていました。自宅に戻り、ポストに郵便物を取りに行くと「書道研究銀河会」からの速達が届いており、ドキドキしながら一人自分の部屋に行き、封を開けました。すると、『駐日中国大使館賞』という文字が目に飛び込んできました。
私は「これは夢かもしれない」と両親を呼び、何度も賞名を確認してもらい、それでもまだ信じられない気持ちでいっぱいでした。
ようやく落ち着きを取り戻し、素晴らしい賞をいただいたことを改めて実感した瞬間、今までがんばってきた努力が報われた思いがして、心の底から嬉しさが湧いてきました。そして家族からも「最高のお誕生日プレゼントだね!」とまた祝福してもらいました。とても幸せいっぱいの気持ちに包まれた最高の誕生日になりました。

Q2 作品の題材とそれを選ばれた理由は?

今年は『中務集(なかつかさしゅう)』を臨書しました。
これまで、自分の性格に合った書体は楷書だと思い込んでいましたが、銀河書道作品展への出品が最後となる今年は、新たな挑戦をしてみたいという思いがありました。そこで、平安かなを根底とした、かな作品の古典美を長年探求されている佐伯方舟先生に新たな挑戦への思いを伝えたところ、かな作品に取り組むことが決まりました。
『中務集』は、筆線がとても細いのに、その中にも力強さがあり、伸びやかで勢いのある字形が魅力的で、そこに惹かれ、ぜひ私も今回の銀河書道作品展で表現してみたいと思い、取り組みました。

Q3 作品を仕上げるうえで特に苦労された点は?

原作の大きさを忠実に表現することです。初めて練習したときには文字が大きくなってしまい、なかなか原作の大きさで書くことができませんでした。何度も練習を重ねましたが、字を小さくすると今度は原作の力強さを表現できず、原作に忠実に表現することはとても大変でした。
また、釈文を見て、意味を頭に入れながら書き進めるのは苦労の連続でしたが、令和を生きる現代人の私と、古典作品が約1000年の時を超えて対話しているようで、新しい友人ができたような感覚になりました。
わからないことに直面するたびに、佐伯方舟先生には何度も何度も質問させていただきましたが、先生はそのたびに丁寧にお教え下さり、安心して書き進めることができました。

Q4 ところで、書を始めたのはいつですか?

私の祖父や母はとても字が綺麗で、私も同じように綺麗な字を書いてみたいという思いから、幼い頃から文字に興味を持っていました。
同じ小学校に通う親友が銀河会東京総本部の恵比寿教室に通っていたことから、私も体験させていただき、二人仲良く小学校低学年からお教室に通うようになりました。佐伯方舟先生と金田先生には優しくも、実に厳しく育てていただきました。
今でも親友と二人、楽しくそして励ましあいながらお稽古に通う日々です。

Q5 ご指導頂いた先生へのお礼とこれからの抱負について一言お願い致します。

佐伯方舟先生、金田翠夢先生、小学生の頃から優しく励まし、温かく見守り続けてくださりありがとうございます。
いつも私の意思を尊重し、自主性を重んじてくださったことに、改めて感謝いたします。また先生方からは書道のみならず、一人の人間として大事にしていかなければならないことなど、たくさんのことを学ばせていただきました。今回、この賞を受賞できたのも、先生方や家族の支え、そして親友の励ましがあってこその結果であり、人としての繋がりの大切さを改めて実感いたしました。
これからも、様々な古典や、奥深く広い書の世界に挑戦し、精進していきたいと思います。
今後ともご指導のほど、よろしくお願いいたします。

 

指導者(銀河会東京総本部・佐伯方舟先生・金田翠夢先生)から受賞者(川添灯舟さん)へ

川添灯舟さん『駐日中国大使館賞』受賞おめでとうございます。
小学校低学年から、学校帰りにかわいい赤いリボンのついた制服で、親友と二人で通ってきた姿を思い出します。そして週一回のおけいこでは、一人黙々と筆を握っていました。
またご両親の知人が病に倒れた際には、「今自分ができることは文字を書くことだ」と考え、力強い筆致で「生きる」と書いた色紙を、その方に届けたことがありました。純粋な心での励まし、きっと喜ばれたことでしょう。今、その方は無事に病を克服していると聞いています。思いはあっても、多くの人がなかなか行動に移すことのできないことを、優しい心で実際に形にするのがあなたなのだ、と我々が敬服させられた出来事です。
今回『駐日中国大使館賞』という大きな賞を受賞し、本当に立派に成長したと、我々指導者も感慨無量です。これからも、挑戦、実行という作品制作のストーリーのように、一つずつ夢を実現していってくれたらと、心から願います。
また一緒に学んできた親友との切磋琢磨は、二人にとって互いに大きなエネルギーとなってきました。あなたにとって、彼女の存在はかけがえのないものであり、二人の姿は教室の皆のお手本となっています。あなた方二人の醸し出す空気が人の心の輪を広げることとなり、小さな教室に大きな心が響く原動力となっていることは間違いありません。
今回のあなたの受賞は、我々指導者はもとより、教室の皆が喜んでいます。これからもずっと、書の世界の深さを追求していってください。

書道研究銀河会東京総本部
渋谷区恵比寿1-9-10-202
03-3440-3478

 

 


第50回記念
銀河書道作品展
「駐日中国大使館賞」


第50回記念銀河書道作品展「駐日中国大使館賞」は、高校3年生 斎藤 節櫻さんが受賞されました。受賞後の感想などを伺いました。


Q1 受賞の知らせを受けたときの感想は?

受賞の知らせを受けた瞬間、驚きと感激で胸が高まり、家族全員で喜びました。私にとって最後となる銀河書道作品展で、このような素晴らしい賞をいただき、信じられないほど嬉しかったです。 また日々の努力が受賞につながったということがとても嬉しく、感謝の気持ちで胸がいっぱいになりました。

Q2 作品の題材とそれを選ばれた理由は?

董其昌の『金剛般若経』を書かせていただきました。
この題材を選んだ理由は、小さい頃から美しい線と均整の取れた文字である楷書に魅了されてきたからです。そして『金剛般若経』を書いている先輩方の作品を拝見してその美しさに感銘を受け、自分もこの題材に挑戦してみたいと心から思いました。 これまでの集大成となる銀河書道作品展でこの題材に取り組み、賞をいただけたことは、私にとって非常に光栄であり嬉しいことです。今後も多くのことを学び、新たな題材にも挑戦していきたいです。

Q3 作品を仕上げるうえで特に苦労された点は?

部活動、受験勉強、作品制作の3つをバランスよく成し遂げることです。
日々のスケジュールを徹底的に管理し、限りある時間の中で書道に集中するよう努力しました。やるべきことを明確にし、スケジュールに沿って行動することは私にとって、時間の使い方や計画的な取り組み方を学ぶ機会となりました。 忙しい日々でしたが、文字を書くということが息抜きになり、また時間を忘れて没頭できるため、私には大切な時間でした。 そのような日々の中で、先生方や家族のサポートがあったおかげで作品を完成させることができ、嬉しく思います。

Q4 ところで、書を始めたのはいつですか?

私が書道を始めたのは2歳の頃です。
姉が楽しそうに書に向き合っている姿に惹かれました。幼い頃から人物や風景を鉛筆で描くことが好きでした。墨を使い半紙に文字を書くという行為は全く新しい体験でとてもワクワクし、書道の魅力に吸い込まれていきました。

Q5 ご指導頂いた先生へのお礼とこれからの抱負について一言お願い致します。

桜華会本部の先生方、いつもご指導いただき本当にありがとうございます。 2歳という幼少期から私を温かく受け入れ、書道の世界へ導いてくださいました。先生方のおかげで文字の美しさに触れ、書道の奥深さを学ぶことができました。私の成長を心から喜んでくださり、伸び悩んでいる時は責めることなく、励ましの言葉をたくさんかけてくださいました。その優しさとご指導に感謝の気持ちでいっぱいです。また、今回このような素晴らしい賞をいただけたことも先生方のご指導のおかげです。
今後も書道を通じてさらに努力し成長し続け、佐下橋司節先生のようになるのが私の夢です。これからも努力を惜しまず精進して参ります。

 

指導者(銀河会桜華会本部・佐下橋司節先生)から受賞者(斎藤節櫻さん)へ

斎藤節櫻さん、2年連続の 『駐日中国大使館賞』 受賞おめでとうございます。
あなたと初めて会ったのはベビーカーに乗った2歳の頃、先に教室に通い始めたお姉さんの送り迎えで教室に出入りするようになり、お座りが出来た頃にはもう筆を握っていました。長きにわたり成長を見守ってきたあなたとの思い出は数え切れません。
小中学校時代は書き初めで都展代表の常連でしたね。自分が納得するまで何度でも作品を書いていました。賞を頂く度にあなたの表情が豊かになり、自己肯定感が育っているのを感じておりました。高校生では書道部の部長を務めながら、学業でも常に上位を保ってきました。情熱を持って書き続けた多字数作品が集中力と計画力を育み、勉強や全てのことに繋がったのだと思います。
出品14回目の今年は『金剛般若経』を題材に選び、先手必勝の精神で昨秋から制作に取り組み始めました。昨年の受賞の際に私は「来年は高校3年、あなたの成長に寄り添ってくれた銀河書道作品展は最後の出品です。あなたらしく、楽しみながら良い作品を書いて下さい」との言葉を贈りました。あなたはその言葉通りに、持ち前の負けん気とバイタリティを発揮して最後までペースを崩さず、5月には作品を書き上げました。教室から貸し出した手本は脱字がないように付けられた印でボロボロになって戻ってきました。あなたの日々のたゆまぬ努力と集中力の高さを物語る出来事として印象に残っています。
好きなことを楽しみながら効果的に学んでいくことで大きな力が生まれてくることを、あなたに寄り添ってきた15年間で私も教えられました。
これからもあなたの活躍を心から応援しています。

書道研究銀河会桜華会本部
荒川区東尾久2-27-12
03-3819-5660

 

 

  


第50回記念
銀河書道作品展
「毎日新聞社賞」


第50回記念銀河書道作品展「毎日新聞社賞」は、高校3年生 増井 晶仙さんが受賞されました。受賞後の感想などを伺いました。


Q1 受賞の知らせを受けたときの感想は?

夏休みも間もなく終わろうとする日の夕方、自宅で過ごしていたところ、自分宛の速達を受け取りました。「なんだろう?」と思い、封を開けると『毎日新聞社賞』の受賞のお知らせでした。
すぐにスマートフォンで調べると、この賞が上から三番目の賞であることを知りました。関川司晶先生に連絡をし、その後、佐伯先生のご自宅へお電話させていただきました。佐伯方舟先生から直接「おめでとう」という言葉をいただいた時、改めてこの賞の偉大さを感じました。まさか私がこのような素晴らしい賞をいただけるとは思っていなかったのでとても驚きました。

Q2 作品の題材とそれを選ばれた理由は?

今回は『三體千字文』を書かせていただきました。
高1では楷書千字文、高2では、かな作品である『中務集』に取り組んでいたことを踏まえ、過去の作品集や先輩方の作品を見返しながら先生にいくつかお手本を用意していただいたなかで、直感で決めました。瞬間的に選んだものの、自分にできるだろうかという不安な気持ちも芽生えましたが、教室の先輩方が書いていたところを間近で見ていたからこそ、高校生最後の集大成としてこの作品を書き上げたいと思いました。

Q3 作品を仕上げるうえで特に苦労された点は?

1マスが1cm×1cm、タテ114字27行とたいへん細かかったため、3,000の文字をとにかく間違えないこと、飛ばさないこと、大きさを均一に保つことを意識しました。
お稽古では毎回、全体の様子や前回の書き終わりとの調子を一定に保つために、お清書と同じ種類の料紙で墨の色・線の太さが同じになるまで下書きを繰り返し、一字一字を点検してからお清書に臨みました。毎回このように準備してからお清書に取り組んだことは安心につながりました。それでも、途中で何度もプレッシャーを感じて手が震え、心が押しつぶされそうになりましたが「大丈夫」と自分に言いきかせて最後まで一度も間違えずに書き終えることができました。

Q4 ところで、書を始めたのはいつですか?

書を習い始めたのは小学一年生の時です。
幼い頃の記憶はあまり残っていないのですが、書道をやめたい、逃げ出したいと思ったことは一度もないくらい好きなことでしたので、今までやり続けることができました。

Q5 ご指導頂いた先生へのお礼とこれからの抱負について一言お願い致します。

幼い頃から書道を習い続けることができたこと、そしてこのような素晴らしい賞をいただくことができたのは、関川先生の丁寧なご指導のおかげだと思っています。
また、この作品に取り組んでいる間も、私が書いた字を決して否定せず、励ましの言葉をかけ続けてくださることで、最後まで書くことができました。関川先生には感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました。
書道を通して培った集中力を今後の受験勉強でも生かすことはもちろん、これからも良い書作品が書けるように努力していきたいと思います。今後ともご指導よろしくお願いいたします。

 

指導者(銀河会新潟本部・関川司晶先生)から受賞者(増井晶仙さん)へ

増井晶仙さん『毎日新聞社賞』受賞おめでとうございます。
小学1年生の10月に新潟本部に入会してから現在まで、お休みすることなくお稽古に通って来てくれました。いつも変わらない平らで穏やかな佇まいで筆を握り、黙々と取り組む様子を私は何度も感心しながら見守っていました。そのあなたがこの度の『三體千字文』を書き上げ、落款を入れ終えたとき、溢れる思いをおさえきれず、涙をポロポロとこぼした姿を忘れることはできません。すべてから解き放たれた安堵の瞬間でしたね。穏やかなだけではない「人としての強さ」を感じ、陰ながらの努力を思うと私も涙がこぼれました。そのときは教室の空気も一体となり、あなたに続く後輩たちの力となったことは言うまでもありません。
毎月の競書作品も最優秀作品になることが多く、特に高2の湯島天神奉納書道展では高校部第一席になるなど着実に実力をつけてきました。そして集大成となる今年はノーミスでの作品制作を目標に掲げ、期日までに仕上げ、見事達成しました。序盤から作品がとても明るく端正で落ち着いた筆致でしたので、あとはあなたに任せる思いで、仕上がるのが最後まで楽しみでした。
この記念すべき第50回展での受賞につながり、指導者としてもたいへん嬉しく、誇りに思います。ここに至るまでのご家族のご協力ご支援は計り知れません。幼い頃より信じて支えていただけましたことを心より感謝申し上げます。これからの人生、書で培ったすべての力を生かして飛躍していってください。心から応援しています。

書道研究銀河会新潟本部
新潟県三条市井栗2-18-23
0256-39-4189

 

 

 


第50回記念
銀河書道作品展
「毎日新聞社賞」


第50回記念銀河書道作品展「毎日新聞社賞」は、高校3年生 劉 韜さんが受賞されました。受賞後の感想などを伺いました。


Q1 受賞の知らせを受けたときの感想は?

佐下橋司節先生からのお電話で家に速達が届いていることを知り、驚きの気持ちでいっぱいでした。中学生の頃から銀河書道作品展で大きな賞を取りたいと思っていたので、集大成として実現できたことをとても嬉しく思います。今までの努力が報われたのだなと実感したと同時に、私をここまで導いてくださった先生方に深く感謝しています。

Q2 作品の題材とそれを選ばれた理由は?

『金剛般若経』を書きました。
去年、一昨年は『石臺孝経』を書き、今回は別の書体に挑戦したいと思っていました。私自身のなかで好きな書体や作品が固まっていないこともあり、佐下橋先生に相談したところ、今回の題材を選んでいただきました。線の太さの違いがこの作品の特徴になっているため、書けば書くほど作品に魅力を感じ、自分の作品ではありますが、完成したらどうなるのだろうと、とても楽しみに作品を書き進めていきました。

Q3 作品を仕上げるうえで特に苦労された点は?

時間の有効活用です。日々の学業はもちろんのこと、所属するダンス部では最後の大会に向けた練習があり、そのなかで作品を進めていくのはとても難しく、「時間」にはいつも悩まされていました。
夏休み期間は毎日部活動があり、締め切りまでに作品を仕上げることは体力的に苦しかったですが、先生方のサポートや両親の応援の言葉に励まされて頑張ることができました。今作は今まで取り組んだことがない書体である上にとても小さな文字だったため、上手に最後まで書けるかとても不安でした。字数も多く、制作途中でゴールが見えず、自分が書いた文字に後ろめたい気持ちにもなりましたが、お手本を何回も見てコツを掴み、最後まで仕上げることができました。

Q4 ところで、書を始めたのはいつですか?

小学5年生の頃、父に勧められて桜華会本部に入会しました。
実は、入会当初はあまり興味が湧かなかったのですが、先生方から、どのように筆を握り、どのように筆を動かして文字を書くかを一から優しくご指導いただく過程で次第に書に惹かれ、今ではとても楽しく練習に通っています。

Q5 ご指導頂いた先生へのお礼とこれからの抱負について一言お願い致します。

8年間優しく丁寧にご指導くださった桜華会本部の先生方への深い感謝の思いは言葉になりません。
この『毎日新聞社賞』は私1人だけでは決して取ることができませんでした。先生方の支えがあったからこそ、第三席をとることができました。 書を始めた頃から、私の自信となる前向きなお言葉やご指導があったことで、ここまで書を楽しく続けることができました。私が不安や疑問を抱えるたびに、先生方は温かいアドバイスをくださったり、どの作品を書くときも最善な環境を整えてくださったり、そして調子が悪いときは決して私を焦らせることなく見守っていただき、本当に感謝しております。 この銀河書道作品展で作品を仕上げるために鍛えた集中力を活かして受験勉強に励むとともに、今後も自分の書を磨いて更なる飛躍を目指していきたいと思います。

 

指導者(銀河会桜華会本部・佐下橋司節先生)から受賞者(劉 韜さん)へ

劉韜さん『毎日新聞社賞』受賞おめでとうございます。
あなたは8年前にお父様と一緒に教室に来られました。ご両親さまからも書に対する思いを強く感じられました。
中学時代は吹奏楽部に所属しながらも毎回のお稽古に励み、仲良くなった友達と楽しそうに筆を持っていましたね。手本を的確に見る能力が高く、楷行草書の作品を品良く仕上げていました。
高校受験時は私立六大学の附属校を目指していましたので、勉強との両立が大変そうでしたが、見事に第一希望校に入学されました。入学後は通学時間がかかることと、新たにダンス部に入部したことでなかなか教室には通えなくなりました。それでも時間を見つけてお稽古に来ると時間を忘れて黙々と筆を進めていました。
今年の作品は、冒頭だけを教室で書き、残りはオンライン指導のもと自宅で書き上げましたが、指導者として不安は全くありませんでした。なぜならこれまでの指導の中で、あなたが作品に向き合う際の集中力や慎重さ、計画的に物事に取り組み達成する自己管理力の高さを知っていたからです。
結果的にあなたは良い作品を仕上げ、今回の素晴らしい成果を出されたこと、私も嬉しいです。これからも書だけでなく、さまざまな世界で活躍されることを心から祈っております。

書道研究銀河会桜華会本部
荒川区東尾久2-27-12
03-3819-5660

 

 


第50回記念
銀河書道作品展
「毎日新聞社賞」


第50回記念銀河書道作品展・中学生の部・第一席「毎日新聞社賞」は、中学3年生 梅原 和奏さんが受賞されました。受賞後の感想などを伺いました。


Q1 受賞の知らせを受けたときの感想は?

銀河会総本部から速達で届いた通知で『毎日新聞社賞』を受賞したことを知りました。嬉しい気持ちと共に今までの努力が実って良かったと思いました。
母と一緒に教室に伺うと、先生方から祝福の言葉をいただき、すばらしい賞をいただいたと改めて実感しました。

Q2 作品の題材とそれを選ばれた理由は?

張即之書の『金剛般若経』の冒頭から約1,000文字を書かせていただきました。
中学1年生になった時に中学校3年間の銀河書道作品展でどの様な作品に取り組むのかを先生方と話し合いました。そこで松藤春蝉先生から「梅原さんの筆使いは、文字の太い細いがはっきりしていて、あまり硬くない字形の文字があっている。」との助言をいただき、その場で張即之の『李伯嘉墓誌銘』と『金剛般若経』の2つを見せてくださいました。そして、この2つの作品を段階的に学んでいき、中学3年生で『金剛般若経』を1,000文字程度書くことを薦められました。この先生方の助言により、1年生で『李伯嘉墓誌銘』を146文字、2年生で『李伯嘉墓誌銘』を337文字、そして、今回の作品へと3年かけて張即之の書を学んできました。

Q3 作品を仕上げるうえで特に苦労された点は?

3年間、張即之の書を段階的に学んできましたが、今年はマスのサイズがとても小さくなり、文字と余白のバランスをうまくとることが難しかったです。何度も練習を重ねましたが、なかなかお清書に入ることができませんでした。自分では「こんな感じかなぁ」と書いてみるのですが、小さい文字の中で文字線の太い部分と細い部分の変化を出すのもひと苦労でした。先生からは、もっと変化がわかるように書き終わった後、手本と書いたものを並べて、少し離れたところから眺めて、文字の雰囲気が違っていないか、よく観察するように助言をいただきながら練習を重ねました。
お清書に入ってからは、部活動と学業を両立させながら、落ち着いて作品作りに取り組むために、計画的に毎日時間を作って書き進めました。

Q4 ところで、書を始めたのはいつですか?

4歳上の兄が先に松藤書道塾に通っていて、私も4歳の誕生日を迎えてすぐに入塾しました。
初めて筆を持ち、墨で文字を書いた時に楽しいと感じた気持ちは今でもはっきりと覚えています。小さい頃は、あまり落ち着きのない子供だったけれど、書道教室では静かに文字を書いている姿が印象的だと母が言っていました。たしかに、小さいころから文字を書いているとなんだか気持ちが落ちつき、無心に文字を書くことができていたように思います。

Q5 ご指導頂いた先生へのお礼とこれからの抱負について一言お願い致します。

この度は『毎日新聞社賞』という、すばらしい賞をいただきまして、本当にありがとうございました。文字も満足に読めない幼い頃から、手取り足取りご指導いただいた、松藤春蝉先生、松藤司曄先生、中嶋藤粹先生に感謝申し上げます。
教室に行くたびに、私が落ち着いて作品作りに取り組めるように環境を整えてくださり、きめ細やかな先生方のご指導があったからこそ、この作品を完成させることができました。
今後も書道をつづけ、様々な作品に挑戦し、自分を高めていきたいと思いますので、これからもご指導よろしくお願いいたします。

 

指導者(銀河会千葉本部・松藤春蝉先生)から受賞者(梅原和奏さん)へ

梅原和奏さん『毎日新聞社賞』受賞おめでとうございます。
4歳になったばかりの幼いあなたが、ピンク色のスモックを着てお兄ちゃんの隣りに座り、小さな手で大筆を持ち、半紙に一生懸命に文字を書いていたのを昨日のことのように思い出されます。
幼年の頃からあなたの書く筆文字は、勢いがあり線質も美しいと感じていました。小学生になるとその文字の美しさは更に磨きがかかり、小学3年生の冬には、千葉県書き初め展覧会で学校代表となり、席書大会にも出場、その作品が地方新聞にも掲載されました。この席書大会出場をきっかけにあなたは、更なる上達のためには、どの様にしたらいいかと私に問いかけてきました。私は、無理を承知で「条幅作品を毎日3枚以上、年間1,000枚以上を自宅で書き、週2回のお稽古に書いたものを必ず持ってくるように」と課しました。すると本当に毎回、条幅作品を持って教室にやってきて、更に教室では、何時間も半紙のお稽古をするようになりました。これを小学校高学年の3年間続けたことは、脱帽のひとことにつきます。
中学生になると部活動もあり、教室には週1回通うことにして、自宅では、銀河書道作品展の作品作りに向けての練習を毎日欠かさず行うようになりました。この欠かさず続けた努力こそが、あなたの才能で、これが今回の受賞につながったと思います。
いつも控えめで物静かなあなたが、今回の受賞を満面の笑みで報告してくれた姿を見て、私達はとても嬉しく思いました。今回の受賞を糧に、高校生になっても更に努力を重ね、飛躍していってください。期待しています。

書道研究銀河会千葉本部
千葉市中央区川戸町481
080-7460-2792

  

 


第50回記念
銀河書道作品展
「毎日小学生新聞賞」


第50回記念銀河書道作品展・小学生の部・第一席「毎日小学生新聞賞」は、小学6年生 近藤 初さんが受賞されました。受賞後の感想などを伺いました。


Q1 受賞の知らせを受けたときの感想は?

残り少ない夏休みを楽しんでいた日の夕方、私宛の速達が届きました。「何だろう?」と思い封書を開けると、『毎日小学生新聞賞』の文字が目に飛び込んできました。「どんな賞かな?」と思い、銀河書道作品展の作品集を見てみると、小学生の最高賞だとわかり、とても驚きました。
翌日、書道教室で渡邉司寳先生・菅沼寳眞先生から「おめでとうございます!」と言われて、恥ずかしかったけれど、とても嬉しくて実感がわいてきました。

Q2 作品の題材とそれを選ばれた理由は?

『光風動春』という課題を選びました。
ほかにも、いくつか書きたい課題がありましたが、渡邉先生から穏やかな気持ちが幸福を呼んでくる″という意味だと聞いて素敵だなと感じ、この課題に決めました。

Q3 作品を仕上げるうえで特に苦労された点は?

道具をしっかり整えるよう心掛けています。銀河書道作品展のような大きな文字を書くときは、特に筆をきちんと洗い、穂先を整えました。
課題の『光風動春』の「動」のバランスを取るのが難しかったですが、先生方のご指導のおかげでうまく書くことが出来ました。渡邉先生から「はねやはらいが伸びやかで上手に出来ましたね」と褒めていただきました。

Q4 ところで、書を始めたのはいつですか?

小学校1年生の6月から、2歳上の兄と一緒に鹿沼本部に通い始めました。6年生になった今も、兄と毎回楽しく通っています。

Q5 ご指導頂いた先生へのお礼とこれからの抱負について一言お願い致します。

渡邉司寳先生、渡邉司航先生、菅沼寳眞先生にはいつもわかりやすく、丁寧にご指導いただいております。本当にありがとうございます。
お教室に通っているおかげで、学校の書写の時間には、クラスの友達に筆の使い方などを教えることもあります。これからも先生方にしっかりと教わりながら、さらに美しい字が書けるように努力していきます。
これからもご指導よろしくお願いいたします。

 

指導者(銀河会鹿沼本部・渡邉司寳先生)から受賞者(近藤 初さん)へ

近藤初さん『毎日小学生新聞賞』受賞おめでとうございます。
素晴らしい結果を残せましたね!
ご自宅のある宇都宮から鹿沼のお教室まで、2歳上のお兄さんと5年間休まず教室に通い続けてきましたね。
今回の作品は、あなたの伸びやかな線がどの文字にも生き生きと発揮されていて、見る人を惹きつける見事な仕上がりになりました。
下野書道展では常に金賞や銀賞を受賞し、書初め展においても準大賞を受賞するなど、年々目にみえて実力がついてきました。
あなたが小学4年生の時から自転車ロードレースチームに所属し、暑い日でも寒い日でも20キロメートルを走り抜く過酷な練習をこなしていることを最近聞きました。高学年になるにつれ、あなたが文字を書くときの精神力と秘められた芯の強さがどんどん増していると思っておりましたが、それは自転車ロードレースの練習からも培われていたのですね。
常に優しく見守ってくれるお兄さんと、教育熱心なご両親に包まれ、穏やかで人一倍根気強いあなたがこれからもその精神力で、たゆまぬ努力を続けてほしいと願っています。
期待しています。

書道研究銀河会鹿沼本部
鹿沼市見野1010-1
0289-65-1886